パグがかかりやすい病気|飼う前に知っておきたい遺伝的なリスク

救急箱と伏せているパグのイラスト(パグがかかりやすい病気の記事) 病気と寿命
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パグは、人の手で今の姿に作られた犬種です。鼻を短く、顔のしわを深くする方向で繁殖が重ねられてきました。その結果として、この犬種が抱えやすいトラブルがいくつかあります。

パグに多いとされる病気を、部位ごとに整理しました。迎える前に知っておくと、あとで慌てずに済むと思います。

ここに挙げるのは「起こりやすい」という話であって、必ず起こるという意味ではありません。うちの2頭も、今のところ大きな病気はしていません。

この記事のポイント

  • パグに多いのは呼吸・皮膚・目のトラブル
  • 呼吸は短頭種気道症候群。いびきの程度が変わったら受診の目安
  • しわの間は湿気がたまると皮膚炎になる。毎日拭くのが効く
  • 目は大きく前に出ているぶん傷つきやすい
  • 壊死性髄膜脳炎やレッグ・カルベ・ペルテス病など、知られている病気がほかにもある
  • 暑さに弱い。夏はエアコンを止められない

うちの2頭に出たこと

同じ犬種、同じ性別、同じ毛色。同じ部屋で同じフードを食べています。それでも、出たトラブルは別々でした。

ゆきちは、しわの間が赤くなって皮膚炎・しわ炎と診断されました。治療は飲み薬と注射です。ぶーたろうは目やにと充血で、点眼薬での治療でした。

診察料と薬代を合わせて、2頭で2万円近くかかりました。ペット保険をやめたあとだったので全額自己負担です。金額そのものより、「パグはこういうことが起きる犬種なんだ」と実感したのがこのときでした。

動物病院でパグの診察を受けている様子のイラスト

呼吸のこと

パグでいちばん知られているのが、呼吸の問題です。鼻が短く気道が狭いため、空気の通り道のどこかが詰まりやすくなります。まとめて短頭種気道症候群と呼ばれます。

具体的には、鼻の穴そのものが狭い、のどの奥の軟口蓋が長くて気道にかぶさる、気管が生まれつき細い、といった状態が重なって起こります。

いびきや、走ったあとのブーブーという音は「パグらしさ」として見過ごされがちです。ただ、程度が変わってきたら別の話になります。涼しいのにハアハアが止まらない、散歩のあと息が整うまで時間がかかるようになった、といった変化は受診の目安です。

詳しくはパグのいびきが大きい・走ったあとブーブー鳴るに書きました。

家で見ておくところ

  • 寝ているときの音:いつもと違う音がしないか。うちは毎晩そばで寝ているので、変化に気づきやすい場所です
  • 散歩のあと:息が整うまでの時間。前より長くなっていないか
  • 舌と歯ぐきの色:紫がかっていたら酸素が足りていないサインです。すぐ涼しい場所へ移して受診してください
  • 姿勢:苦しいとき、首を伸ばして前脚を張った姿勢を取ることがあります

散歩のときは、首を絞める形になる首輪よりハーネスのほうが気道に負担がかかりません。うちもハーネスを使っています。

皮膚のこと

顔のしわの間は、食べかすや涙、皮脂がたまりやすい場所です。そこに湿気が残ると細菌や酵母菌が増えて、赤み、かゆみ、においにつながります。

うちのゆきちがこれでした。しきりに顔をこすりつけていたので見てみたら、しわの間が赤くなっていました。

治ってからは毎日拭くようにしています。地味ですが、サボると翌日に差が出るのが分かります。やり方はパグのしわ掃除のやり方にまとめました。

目のこと

パグは目が大きく、前に出ています。そのぶん、ぶつけたり傷つけたりしやすい構造です。角膜に傷がつくと、痛がる、涙が増える、目を開けづらそうにする、といった様子が出ます。

涙の分泌が減って乾きやすくなること、慢性的な刺激で黒目が茶色く濁ってくることもあります。

うちのぶーたろうは目やにと充血で通院しました。いまは目やにをこまめに取るのが日課です。パグの目やにと目の充血に受診の目安を書いています。

家では、目やにの量と色、白目が赤くなっていないか、左右で開き方が違わないかを見ます。片目だけしょぼしょぼさせている、前脚で顔をこする、というのは痛みのサインなので、様子見をせずに受診したほうがいい場面です。

室内では、顔の高さにある物にも気をつけています。観葉植物の葉先やテーブルの角は、犬の目の高さにあることがあります。

そのほかに知られている病気

  • 壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎):脳に炎症が起きる病気で、発作や歩き方の異常が出ます。パグで報告が多く、進行が早いことがあります
  • レッグ・カルベ・ペルテス病:後ろ脚のつけ根の骨が変形する病気です。足を引きずる様子で気づかれます
  • 膝蓋骨脱臼:膝のお皿がずれる状態です。小型犬全般に見られます
  • ピルビン酸キナーゼ欠乏症:赤血球に関わる遺伝性の病気です

いずれも「パグなら必ず起きる」というものではありません。ただ、歩き方がおかしい、まっすぐ歩けない、といった様子が出たときに「そういう病気がある」と知っているかどうかで、動く早さが変わります。

気づくきっかけになる様子

  • 後ろ脚を一瞬上げて歩く、スキップのような歩き方をする:膝のお皿がずれているときに見られます
  • 片方の後ろ脚をかばう、座り方が左右で違う:つけ根の骨の問題で出ることがあります
  • まっすぐ歩けない、同じ方向にぐるぐる回る、けいれんする:脳の病気で出る症状です。すぐ受診してください
  • 歯ぐきや舌が白っぽい、すぐ疲れる:貧血のサインのことがあります

どれも、見た瞬間に病名が分かるものではありません。大事なのは「いつもと違う」と気づくことと、気づいたら早めに動くことだと思います。

暑さに弱いということ

短頭種は、呼吸で体温を下げるのが苦手です。人間のように汗をかいて冷やすこともできません。つまり、熱がこもったときに逃がす手段が少ない体のつくりをしています。

うちでは夏のあいだ、エアコンを一日中つけています。夏の散歩は、アスファルトが冷めた時間帯だけにしています。

熱中症はその日のうちに命に関わることがあります。夏の備えはパグの暑さ対策グッズにまとめました。

お金のこと

かかる金額は、その子の状態と通う病院によって変わります。だから「いくらかかる」と断言はできません。

うちの実例として書けるのは、皮膚と目で2頭合わせて2万円弱だったということだけです。これは軽いほうで、呼吸器の手術や椎間板ヘルニアになると桁が変わると言われています。

ペット保険に入るかどうかは考え方次第だと思います。ただ、とは思っています。

迎える前に考えておきたいこと

パグと暮らすうえで、避けて通れないことがいくつかあります。

  • 夏はエアコンを止められません。留守番中も含めてです
  • 顔のしわは毎日拭く作業になります。数日サボると差が出ます
  • 呼吸の音がいつもと違わないか、日常的に気にかけることになります
  • 急に体調を崩したときに動けるよう、お金の余裕を持っておいたほうがいいです

この犬種が今の顔になった経緯はパグはなぜしわしわなのかに書きました。かわいいと感じる部分と、手入れがいる部分は、同じ一つの特徴の裏表です。

気になる様子があるときは、早めに動物病院で診てもらってください。うちも、迷って様子を見ていた時間がもったいなかったと思っています。

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