パグを迎えるとき、オスとメスのどちらにするかで迷う方は多いと思います。「女の子のほうが飼いやすい」という話も、よく目にします。
先にお断りしておきます。うちはフォーンのオス2頭(ぶーたろうとゆきち)で、女の子と暮らした経験はありません。ですのでこの記事は、一般に言われていることを調べて整理したものです。うちの経験として書けるのは、最後の「性別より個体差のほうが大きい」という部分だけです。
そのつもりで読んでいただけたらと思います。
この記事のポイント
- メスは「マーキングが少ない」「縄張り意識がおだやか」と言われるが、あくまで傾向
- 避妊手術をしない場合は年1〜2回の発情期があり、オスにはない配慮が必要
- 手術の要否や時期は、記事ではなくかかりつけの獣医師と相談して決めること
- 価格差は性別だけで決まるものではない
- うちのオス2頭は、同性・同居・同じフードでも性格もトラブルも正反対だった
一般に言われているメスの傾向
犬種を問わず、メスについてよく挙げられる傾向は次のようなものです。パグに限った話ではありません。
- マーキングが少なく、散歩中に立ち止まる回数が減りやすい
- 縄張り意識が比較的おだやかで、他の犬とぶつかりにくい
- 体格がオスよりやや小さめになりやすい
- 飼い主の指示に対して落ち着いて反応しやすい
ただし、これらはあくまで「そういう傾向がある」という話です。当てはまらない子もふつうにいます。
「飼いやすい」と言われる理由
メスが飼いやすいとされる根拠として、よく挙がるのがマーキングの少なさです。散歩のたびに何度も立ち止まって足を上げる、という行動が減れば、たしかに散歩は楽になります。
また、他の犬に対して張り合う行動が出にくいと言われることも、多頭飼いやドッグランを考えている方には安心材料になるでしょう。
メスならではの、知っておきたいこと
「飼いやすい」という言葉だけで決めると、あとで戸惑うことがあります。メスにはメスの、考えておくべきことがあります。
発情(ヒート)がある
避妊手術をしていないメスには、年に1〜2回ほど発情期があります。出血がある期間は、室内を汚さないようにサニタリーパンツを使う家庭が多いようです。
この時期は落ち着かなくなったり、逆に元気がなくなったりすることもあると言われます。オスにはない配慮が必要な期間です。
避妊手術という選択
避妊手術には、望まない妊娠を防ぐ以外にも、特定の病気のリスクを下げるという説明がされることがあります。一方で全身麻酔を伴う手術であり、時期や必要性の判断は個体によって変わります。
ここは、記事を読んで決める話ではありません。かかりつけの動物病院で、その子の状態を見てもらったうえで相談してください。
価格差について
ペットショップでメスのほうが高く付けられている場面を見ることがあります。ただし、価格は血統・月齢・時期・店舗の方針など多くの要素で決まります。性別だけで一律に差がつくわけではありません。
価格の決まり方についてはパグの値段の相場にまとめました。
性別より、個体差のほうが大きい
ここからは、うちの話です。実感として書けるのはこの部分だけですが、性別選びを考えている方にこそ読んでほしいところでもあります。
ぶーたろうとゆきちは、同じフォーンのオス。同じ部屋で、同じフードを食べています。並んでいると、初めて会う方には見分けがつきません。
それでも、性格は正反対です。
- ぶーたろう:普段はおっとりしていて動じない。ただし食べ物が絡むと別の犬になる
- ゆきち:甘えん坊で、自分が一番でないと気が済まない。ぶーたろうを撫でていると、無言で間に体を入れてくる
出たトラブルも違いました。ゆきちは皮膚としわ、ぶーたろうは目です。同じ条件で暮らしているのに、困りごとは別々に起きました。
この2頭を見ていると、「オスだからこう」「メスだからこう」という括りは、実際にはあまり役に立たないのではないかと思います。同性でこれだけ違うのですから。

性別で迷ったときの考え方
性別の傾向を判断材料のひとつにするのは、悪いことではありません。ただ、それだけで決めると期待とずれる可能性があります。
実際に会いに行って、その子がどう振る舞うかを見るほうが参考になります。人に近づいてくるか、物音にどう反応するか、抱き上げたときに嫌がるか。そういう場面のほうが、性別より多くを教えてくれます。
そして、どちらを選んでもパグである以上、共通してついてくるものがあります。呼吸のしにくさ、暑さへの弱さ、しわのケア、太りやすさ。ここは性別に関係ありません。パグを飼ってはいけないと言われる8つの理由に、迎える前に知っておきたいことをまとめています。
避妊手術の時期について、今わかっていること
「最初の発情の前に避妊手術をすると、乳腺の腫瘍がほとんど防げる」という話をよく見かけます。元になっているのは、1969年に米国で発表された研究です。
ところが、2012年に英国の研究者がそれまでの研究をまとめて見直したところ(Beauvaisら、系統的レビュー)、避妊手術が乳腺腫瘍を減らすという根拠は弱いという結論でした。調べられた研究の多くは、質に問題があったとされています。
はっきりしていること
- 子宮を取れば、子宮蓄膿症(子宮に膿がたまる病気)は起こらない
- 手術には全身麻酔が必要になる
- パグは鼻が短く気道が狭いため、麻酔には注意が必要とされている
つまり、「早ければ早いほどいい」と言い切れる話ではありません。時期は一律に決めず、体の成長や麻酔の体制も含めて、かかりつけの獣医師と相談するのが確実です。
なお、うちの2頭はオスなので、メスの避妊手術は経験していません。
この記事は一般に言われていることの整理です。女の子と暮らした経験がないぶん、実感として書けることは限られます。もし女の子を迎えられた方がいれば、うちの2頭とどう違ったか、いつか聞いてみたいと思っています。



コメント