はじめに
愛犬との絆を深めるためには、適切な叱り方を身につけることが重要です。叱り方を誤ると、愛犬に過剰なストレスを与えかねず、逆効果になる可能性もあります。本記事では、犬を上手に叱る方法について、幅広く解説していきます。
叱る際の基本的な心構え
犬を叱る際には、いくつかの基本的な心構えが必要不可欠です。まずは、以下の3点を確認しましょう。
感情的にならない
犬を叱る際に最も気をつけたいのが、感情的にならないことです。怒りに任せて大声を出したり、体罰を加えたりすると、愛犬に恐怖心を植え付けてしまう可能性があります。冷静に、低めの声で叱ることが肝心です。
愛犬のイタズラに腹を立てがちな飼い主さんは、まずは自分自身の感情をコントロールする練習が必要かもしれません。イタズラの原因を冷静に考え、感情的にならずに対処することから始めましょう。
一貫性を持つ
叱り方に一貫性がないと、愛犬は混乱してしまいます。例えば、ある日は叱って翌日は何もしない、というようなことがあれば、愛犬にとって「何がいけないのか」がわからなくなってしまいます。家族全員で、統一した基準で叱ることが大切です。
叱る際の言葉やタイミング、強さなどを決めておき、それを徹底することで、愛犬はルールを覚えやすくなります。
叱った後は必ず褒める
叱った後は、愛犬が正しい行動をとれた際に、必ず褒めてあげることが重要です。これにより、愛犬は「何をすれば良いのか」を理解できるようになります。
例えば、吠え癖のある愛犬を叱った後に黙ってくれたら、すぐに褒めてあげましょう。このように、正しい行動を褒めることで、愛犬の行動を改善できるのです。
効果的な叱り方
前項で挙げた基本的な心構えに加え、以下のようなポイントを押さえることで、より効果的に愛犬を叱ることができます。
タイミングを逃さない
犬を叱る際の最も重要なポイントは、タイミングを逃さないことです。イタズラや問題行動をした直後に叱らないと、愛犬は「何が悪かったのか」を理解できません。必ずその場で、迅速に叱ることが肝心です。
一方で、過去の出来事で叱っても無意味です。犬は短期記憶しか持っていないため、それ以前のことは覚えていません。タイミングを逃した場合は、無視するのが賢明でしょう。
低い声で短く叱る
叱る際の声の出し方も重要です。高い声で大きく叱ると、かえって愛犬に恐怖心を与えてしまう可能性があります。低めの声で、短い言葉を使って叱ることをおすすめします。
例えば「ダメ」「ストップ」といった、分かりやすい言葉を使うのがよいでしょう。愛犬の名前を呼びながら叱ると、名前に嫌な印象を持たせてしまうため、避けましょう。
無視する方法も活用する
叱るだけでなく、無視する方法も効果的なしつけ方法の一つです。特に、要求を無視することで、その行動を減らすことができます。
例えば、愛犬が吠えて注目を浴びようとしている場合、無視することで、その行動に意味がないことを教えられます。最初は大変かもしれませんが、根気強く無視し続けることが大切です。
問題行動別の対処法
次に、具体的な問題行動別の対処法を見ていきましょう。愛犬の問題行動の種類によって、適切な叱り方や対処法が異なります。
吠え癖への対処法
吠え癖がある愛犬への対処法としては、以下のようなものがあげられます。
- 無視する
- 低い声で短く「ダメ」と叱る
- 黙っている間は間欠的に褒める
吠え癖は、愛犬が注目を浴びたいがために起こす行動です。そのため、無視することが一番の対処法となります。しかし、完全に無視するのは難しい場合も多いでしょう。そんな時は、低い声で短く「ダメ」と注意を促し、黙っている間は間欠的に褒めるのがよいでしょう。
噛み癖への対処法
噛み癖への対処法は、以下のようになります。
- 「アウ」や「ヒッ」と痛み演技をする
- 無視する
- 代替のおもちゃを与える
子犬の頃から噛むことは本能的な行動です。そのため、叱るよりも、上記のように対処することが効果的です。痛み演技をすることで、噛むと痛いことを教え、無視することで注目を浴びられないことを学べます。さらに、おもちゃを与えることで、噛む対象を変えさせることもできます。
トイレ失敗への対処法
トイレの失敗への対処法は、以下のようになります。
状況 | 対処法 |
---|---|
現行犯で見つけた場合 | 低い声で短く「ダメ」と叱る |
後からトイレ場所を見つけた場合 | 無視する |
トイレに成功した場合 | 大げさに褒める |
トイレの失敗への対処は、タイミングが肝心です。現行犯で見つけた場合のみ、低い声で短く叱ります。後からでは無視するべきです。一方で、トイレに成功した際は、大げさに褒めることが重要です。
個性に合わせた叱り方
愛犬一匹一匹、個性は異なります。そのため、叱り方も個性に合わせて調整する必要があります。
気が強い犬への叱り方
気が強い犬に対しては、強めの口調で叱る必要があります。しかし、あくまで低い声で短く叱り、感情的にならないことが肝心です。また、頑固な性格の場合は、無視するよりも、強めに叱る方が効果的な場合もあります。
一方で、気が強すぎて威嚇してくる場合は、トレーナーに相談するなど、専門家に助言を求めることをおすすめします。
繊細な犬への叱り方
繊細で臆病な性格の犬に対しては、優しく穏やかな口調で叱る必要があります。強く叱ると、かえって愛犬に恐怖心を植え付けてしまう恐れがあります。
また、褒めることを多くし、自信をつけさせることも大切です。繊細な性格の愛犬は、叱られると萎縮してしまうことがあるためです。
ポジティブな犬への叱り方
明るく活発な性格の愛犬に対しては、無視するよりも、短く叱る方が効果的な場合があります。ポジティブな性格の愛犬は、無視されても気にならない可能性があるためです。
しかし、あくまで低い声で短く叱ることが基本です。感情的にならず、叱った後は必ず褒めることを忘れずに。
まとめ
本記事では、犬の叱り方について幅広く解説してきました。適切な叱り方を身につけることで、愛犬との絆をより一層深めることができるはずです。
最後に重要なポイントをまとめると、以下のようになります。
- 感情的にならず、冷静に低い声で短く叱る
- 叱る基準を家族で統一し、一貫性を持つ
- 叱った後は必ず褒める
- 問題行動のタイミングを逃さず、その場で叱る
- 無視する方法も効果的に活用する
- 愛犬の個性に合わせて叱り方を調整する
犬を上手に叱ることは、決して簡単なことではありません。しかし、根気強く取り組むことで、必ず良い関係が築けるはずです。愛犬と楽しい日々を過ごせるよう、適切な叱り方を実践していきましょう。
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