はじめに
犬は、私たちの暮らしを豊かにしてくれる、かけがえのない家族です。
しかし、愛犬が困った行動をするときには、ただ怒鳴るだけでは解決になりません。
「どうしたら良いんだろう?」と頭を抱えてしまう飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
犬に適切な行動を教え、私たち人間と気持ちよく暮らすためには、正しい叱り方を身につけることがとても大切です。
今回は、愛犬との絆を深めながら問題行動を改善できる、正しいしつけのコツを分かりやすくご紹介します。
叱り方の基本
犬を効果的に叱るには、まず基本的な叱り方を理解することが重要です。
正しい叱り方を身につけることで、愛犬との信頼関係を壊さずに、困った行動を直すことができます。
まるで私たちが職場で新入社員を育てるようなものですな。
短く、低い声で叱る
犬を叱るときは、短い言葉と低い声が一番伝わります。
長い言葉で「〇〇はダメだって言ったでしょうが!」なんて言っても、犬には何を言っているのかサッパリ理解できません。
まるで外国語を聞いているようなものです。
「ダメ」や「イケナイ」といった短い言葉を使い、落ち着いた低い声で、少しだけ真剣な顔つきで叱ってみましょう。
そうすれば、犬は「あれ?今のはまずかったかな」と空気を察し、自分の行動を振り返ります。
即座に叱る
問題行動があったら、すぐに叱ることが鉄則です。
時間が経ってから「さっきのあれはいけなかったぞ」と叱っても、犬は何のことだか全くわかりません。
犬は基本的に「今」を生きる生き物ですから、過去の行動は水に流してしまいます。
犬が例えばテーブルの上の物をくわえたその瞬間、「ダメ!」と叱ってください。
これにより、犬は「この行動をすると、飼い主さんが真顔になる」と学習し、行動と結果をしっかりと結びつけます。
叱った後は必ず褒める
叱りっぱなしは犬の心を傷つけます。
これは人間関係でも同じですな。
問題行動を叱った後は、正しい行動をしたときにしっかり褒めてあげましょう。
これで犬は「ああ、こうすれば飼い主さんは喜んでくれるんだ!」と理解できます。
例えば、叱られてテーブルから降りた犬に、「おりこうさん!」と優しく声をかけてなでてあげましょう。
褒めることで、犬は「悪いこと」と「良いこと」の区別がつき、正しい行動を積極的にするようになります。
「飴と鞭」ならぬ、「叱りと褒め」、これが愛犬との良好な関係を築く秘訣です。
問題行動別の叱り方
犬の問題行動、本当に困りますよね。
でも、安心してください。
それぞれにあった叱り方をマスターすれば、きっと解決できます。
大切なのは、その問題行動がなぜ起きるのかを理解することです。
噛み癖への対処法
犬はもともと噛むのが得意な動物です。
子犬の頃は特に、何でも口に入れて確かめますね。
しかし、本気で噛む行動は、人との生活では困りものです。
まず、噛まれたらすぐに「痛い!」「ダメ!」と少し大きめの声で伝えましょう。その場を離れて数十秒ほど無視することも有効です。
噛みつきそうになったら、すぐにおもちゃを与えて気をそらせるのも一つの手です。
これで犬は、「人を噛むよりも、おもちゃを噛む方が楽しいな」と学習していきます。
根気強く教えれば、愛犬も「噛んでいいもの」と「いけないもの」の区別をしっかりつけてくれますよ。
吠え癖への対処法
犬が吠えるのは、何かを伝えたいときや、気持ちが高ぶっているときです。
「要求吠え」「警戒吠え」「興奮吠え」など、その理由によって対処法が少し変わるんです。
例えば、ご飯が欲しいと吠えたり、遊んでほしいと吠えたりする「要求吠え」には、一切反応せず、犬が静かになるまで待ちます。
静かになった瞬間に、「良い子だね」と優しく声をかけ、ご褒美を与えましょう。
インターホンに反応して吠える「警戒吠え」の場合は、すぐに「ハウス」や「おすわり」などの指示を出して、吠えることよりも指示を聞くことに集中させます。
これも、指示に従えたら褒める、が基本です。
吠えている間は、どんな理由であれ、決して構わないようにするのが鉄則ですよ。
排泄の失敗への対処法
お家の中でうっかり排泄してしまった!という経験は、多くの飼い主さんが通る道ではないでしょうか。
特に子犬の頃は、まだ「どこで排泄すればいいのか」を学習している途中です。
もし、排泄の現場を見てしまったとしても、「今、犬を叱ってはいけません」。
なぜなら、犬は叱られた理由が分からず、「飼い主さんの前で排泄するのはいけないことだ」と勘違いしてしまう可能性があるからです。
大切なのは、もし室内で失敗しても、決して騒がず、無言で片付けること。
そして、次に決まったトイレの場所で成功した時に、とびきりの笑顔と声で褒めてあげて、しっかり記憶させることです。
これを繰り返せば、犬は自然と正しい場所を覚えることでしょう。
叱り方のポイント
犬のしつけは、ただ怒鳴れば良いというものではありません。
「おい、お前!」なんて言っても、犬には通用しませんからね。
実は、愛犬との絆を深める叱り方には、いくつかの大切なコツがあるんです。
これらのポイントを知っているかいないかで、しつけの効果は大きく変わってきますよ。
一貫性のある叱り方
ワンちゃんを叱るとき、「一貫性」を持つことが何よりも大切なんです。
これは、同じ悪い行動には、いつでも同じように「いけません!」と伝える、ということ。
例えば、リビングのソファに乗ることがダメだと決めたなら、ご家族の誰がいても、昼でも夜でも、必ず叱らなければいけません。
ある日は「やめなさい!」と怒鳴り、次の日は知らんぷり、なんてことを繰り返すと、犬は「あれ?これって良いの?悪いの?」と頭の中がクエスチョンマークだらけになってしまいます。
「よし、今日からうちのルールはこれだ!」と、ご家族みんなで話し合い、たった一つのルールを決めて実践することが、成功への近道ですよ。
愛犬が「これはダメなんだな」と心から理解するためには、私たち飼い主側が「常にブレない態度」で接することが肝心です。
「今日は許すけど、明日は怒る」では、まるで人間に翻弄されているようなものですからね。
個体差に合わせた叱り方
犬にも、私たち人間と同じようにそれぞれ個性があります。
これを「個体差」と言います。
みんな同じ叱り方でOK、というわけにはいかないんです。
例えば、ちょっとしたことでビクビクしてしまう臆病な犬に、大声で「こらーっ!」と叱ったら、心に深い傷を負わせてしまいます。
反対に、やんちゃでなかなか言うことを聞かない犬には、少し毅然とした態度で「ダメだよ」と教える必要があるでしょう。
うちの隣のワンちゃん、〇〇ちゃん(仮称)は、元気がありあまっていて、ちょっとやそっとじゃこたえないタイプと聞きましたよ。
愛犬の性格をよく観察し、その子にぴったりの叱り方を見つけることが、何よりも大切なんです。
愛犬が一番納得しやすい叱り方を見つけるには、「我が子を知る親の目」が欠かせません。
「この子には、このくらいのトーンが良いかな」と、愛情を持って探ってみてください。
体罰は避ける
「悪いことをしたらお尻を叩く!」なんて、昭和の時代のしつけ方ではありませんよ。
ワンちゃんのしつけにおいて、「体罰」は絶対に、絶対に、避けてください。
体罰を与えると、犬に恐怖心や不信感を抱かせてしまい、良い関係は築けません。
例えば、鼻をペシッと叩いたり、尻尾を踏んだりといった行為は、犬にとってただの痛みであり、なぜ叱られているのかを理解する妨げになります。
最悪の場合、恐怖心から人間不信に陥ったり、飼い主さんを避けるようになったりするケースも少なくありません。
大切なのは、犬が「これは嫌なこと」と学ぶための環境作りと声かけです。
体罰は、しつけという名の虐待になりかねません。
愛犬との揺るぎない信頼関係を築くためにも、常に愛情と尊敬の念を持って接することが、私たちの「務め」ではないでしょうか。
まとめ
犬のしつけにおける適切な叱り方は、犬との信頼関係を築く上で非常に重要です。短く、低い声で叱り、即座に叱ることが基本となります。また、叱った後は必ず褒めることで、正しい行動を伝えることができます。
問題行動別の対処法を理解し、一貫性のある叱り方を心がけることも大切です。個体差に合わせた柔軟な対応と、体罰を避けることで、より効果的なしつけが可能になります。愛犬との良好な関係を築きながら、適切な叱り方を実践していきましょう。











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